甲南心理臨床学会News Letter第24号 2026年4月
甲南心理臨床学会
News Letter
Konan Association of Clinical Psychology No.24 Apr. 2026
Ⅰ. ごあいさつ
Ⅱ. 第28回大会 「ユング派心理療法の未来」 ご案内
Ⅲ. 講演会および事例検討会ご案内
Ⅳ. 参加申し込み
Ⅴ. 紀要論文・研究ノート・エッセイ募集
Ⅰ. ごあいさつ
新緑の目に眩しい季節になりました。会員のみなさまには、いかがお過ごしでしょうか。
この1年、世界を見渡せば、世界各地で国や民族の衝突が次々と起こり、多様性の時代へという理念とは全く逆行する排除の論理に基づく戦闘が繰り広げられています。そして、私たちはそのニュースや凄惨な映像を、どこにいてもほぼリアルタイムで受け取ることができます。事実が何なのかを確かめる間もなく、気づいたときにはすでにそれらは心の奥深くに刻印され、影響を及ぼしているのです。今、私たちの集合的な無意識の領域では、秩序の崩壊する世界への不安と恐怖が、力を増大させつつあるのではないでしょうか。
C.G.ユングが、第一次世界大戦の始まる前年の秋から当年の夏にかけて、北ヨーロッパ全土が大洪水に見舞われ、大波が黄色く泡立ち瓦礫と無数の死体が浮いているヴィジョンを見たり、一夜にして途方もない寒さが宇宙空間から襲来し、生けるものをすべて凍りつかせる悪夢を繰り返し見たことは、自伝や「赤の書」から知られているとおりです。現代を生きる私たちも、ヴィジョンや夢を見ないまでも、そのような恐怖と傷つきからどのように癒されうるのかというテーマと否応なく向き合うことを迫られています。
心は、個人が生まれてから白紙に色を塗って作られるようなものではなく、生命の遥かな歴史の記憶の上に、個人が環境と織りなす営みによって表層の1枚が加えられるようなものだとユングは教えてくれます。意識が知ることは、無意識や身体がすでに知っていることのほんの一部に過ぎません。それゆえ、私たちはイメージや身体性に敬意を払い、垂直の次元に拓かれた心理療法を探求してきたわけですが、その実践が困難な時代環境を感じている人も少なくないのではないでしょうか。
今年度の大会と総会は、7月12日(日)に甲南大学キャンパスにて対面方式で開催します。京都大学大学院教育学研究科教授の田中康裕先生を講師にお迎えし、午前は「ユング派心理療法の未来」をテーマにご講演していただきます。まさに時宜を得た、私たちの道しるべを示すお話が伺えることと思います。午後は、会員による一事例の検討をじっくり行い、田中先生からコメントをいただきます。原点に戻って、会員がその場に集い、共に学ぶことで生まれる臨床の知が得られるよう期待しています。ぜひ、多くの方のご参加をお待ちしています。
会長 高石恭子
Ⅱ. 第28回大会 「ユング派心理療法の未来」 ご案内
西欧近代に始まった深層心理学に基づく心理療法というプロジェクトが対象としたのは、「心理学的なもの」としての“神経症”であった。しかしながら、「こころ」は、「心理学的なもの」と「心的なもの」の双方を包含し、今日の心理療法は徐々にその対象を「心的なもの」にも広げている。そのような現状において、心理療法は、西洋的「内面性」や「主体」の確立を目指すというよりは、とりわけ、日本においては、東洋的「内包性」の実現という観点が重要になってきているように思う。この講演では、そのような心理療法は、イメージを「第三のもの」とするのではなく、むしろ「第一のもの」とするものであることを論じ、その「新しさ」だけではなく、それがユング派心理療法が元来もっていた特徴であることを明らかにしたい。
講 師 : 田中 康裕 先生(ユング派分析家・京都大学大学院教育学研究科)
司 会 : 長野 真奈 先生 (京都橘大学心理臨床センター)
●○ プログラム ○● 日程:2026年7月12日(日) 会場:甲南大学10号館1階1012教室(予定)
今年度は講演会・事例検討会ともに 対面参加のみ の開催となります
10:00~ 受付
10:30~12:30 講演会「ユング派心理療法の未来」(2時間)
12:30~13:00 総 会 (30分)
13:00~14:00 休 憩
14:00~17:00 事例検討会 (3時間)
※1研修証明書は全日ご参加の方にお渡しいたします。
※2参加申し込みの最終締切は 6月30日(火) です。事務作業の都合上、早めの申し込みをお願いいたします。
Ⅲ. 事例検討会ご案内
午前に引き続き田中康裕先生をコメンテーターにお迎えして事例検討会をおこないます。
コメント : 田中 康裕 先生(ユング派分析家・京都大学大学院教育学研究科)
事例提供: 山田 秀雄 先生(国保野上厚生総合病院)
司 会 : 長野 真奈 先生(京都橘大学心理臨床センター)
Ⅳ. 会費の払い込み、および参加申し込み
オンライン決済の普及に伴い、郵便振替用紙を同封しておりません。つきましては、次の方法で年会費および大会参加費の払い込みとあわせ、大会に参加される方はメールでの参加申込もお願いいたします。
(ご入金方法)
(1) 郵便振替(窓口にて、青い払込み用紙でのお振込み)
口座番号 00960-9-312606
加入者名 甲南心理臨床学会
(2) ゆうちょ銀行の口座をお持ちの場合、ゆうちょのATMまたはゆうちょダイレクトでのお振込が可能です。
振込み先の口座番号は(1)と同じです。
(3) 他金融機関からのお振込みも可能です。
その場合の口座番号は下記の通りです。
ゆうちょ銀行 〇九九(ゼロキュウキュウ)店(099)
当座 0312606
大会に参加される方につきましては、甲南心理臨床学会事務局office@kacp.info宛に、本文に
①お名前
②ご所属
③臨床心理士登録番号(臨床心理士有資格者のみ)
を記載し、件名に「第28回大会参加希望」を記入したメールでお知らせ下さい。
メールおよび入金の確認をもって参加予約とさせていただきます。
なお、必要費用の払込みにつきましては事務の都合上、勝手ながら、6月30日(火)までに 完了していただきますようお願い申し上げます。
本大会は、毎年、(財)日本臨床心理士資格認定協会より、臨床心理士教育・研修規定別項第2条第4号に規定する教育研修機会として承認されており、本年も申請を行うこととしております。本大会に全日参加された方は、受講者として2ポイントを取得できます。
【大会参加費】 4000 円
【年 会 費】 3000円
Ⅴ. 紀要論文・研究ノート・エッセイ募集 ~『甲南心理臨床学会紀要 第28号』原稿募集~
『甲南心理臨床学会紀要』は、会員のみなさまのメディアです。みなさまからの投稿をお待ちしております。投稿の内容は、基本的に各種の学会誌に準じますが、多少融通を利かせる余地はあります。以下を目安にして下さい。
・研究論文 16000字以内(コメント付の研究論文についても相談に応じます)
・研究ノート 8000字以内
・エッセイ 2000~4000字程度(エッセイには、職場案内や各種事業の活動報告なども含みます)
締切は、2026年10月末です。
投稿の内容などにつきましては、相談に応じますので、まずは学会事務局までお問い合わせをお願いします。
投稿・お問い合わせ先:学会事務局まで郵送もしくはoffice@kacp.info(担当:新道)まで。
Ⅵ. 世話人会・事務局からのお知らせ
(1) 学会運営について
2009年度より、この学会の運営方法が変化しております。会員の皆様には、ご不便をおかけしたこともあるかと思います。今後も、いろいろとご協力をお願いすることがあるかと思いますが、何卒、ご理解の程、よろしくお願いいたします。また、学会運営や大会、分科会について、ぜひご意見ください。
(2) 年会費未納の方に
この学会の運営は、会員及び大学院生の年会費で成り立っております。そのため、3年間会費を滞納されますと、退会になるという会則が設けられております。年会費を滞納されている会員の方で、今後も会員の継続を希望される場合は、至急ご入金くださいますようお願い申し上げます。大会当日を過ぎて未納の方は、会則第3章第8条(年度会費を3年連続で滞納した会員は、3年目の総会をもって退会とみなす)に基づき、退会の手続きをとらせていただきますので、悪しからずご了承ください。
(3) 学会事務局への連絡について
2017年4月から、学会事務局の住所は、甲南大学10号館にある人間科学科図書室になっています。こちらは郵便物を受け取るためのポストがあるのみで、事情のわかるスタッフは常駐していません。学会への連絡、問い合わせはメール office@kacp.info か郵便でおねがいいたします。
|
〒658-8501 兵庫県神戸市東灘区岡本8-9-1 甲南大学10号館
文学部人間科学科図書室 甲南心理臨床学会 事務局 E-mail
> office@kacp.info Web-site
> http://www.kacp.info |