甲南心理臨床学会News Letter第23号 2025年4月
甲南心理臨床学会
News Letter
Ⅰ. ごあいさつ
Ⅱ. 第27回大会 「思春期センサー クライエントの感度・治療者の感度」
ご案内
Ⅲ. 講演会および事例検討会ご案内
Ⅳ. 参加申し込み
Ⅴ. 紀要論文・研究ノート・エッセイ募集
Ⅵ. 世話人会・事務局からのお知らせ
Ⅰ. ごあいさつ
年が明け、阪神・淡路大震災から30年、能登半島地震から1年を迎えました。とりわけ関西にお住いの方にとっては、かつての被災地での体験をふりかえり、それらを今、そしてこれからにどう活かせるのか、心理臨床家として自分に何ができるのかを考える節目でもあると思います。
節目といえば、今年の「節分」は2月2日でした。2日になるのは、実に124年ぶりのことだそうです。豆を撒いて鬼を追い払う年中行事として私たちの生活に今も残っていますが、暦上の立春の前日、つまり冬から春に移行する「はざまのとき」には、非日常なものが入り込みやすいと古くから考えられていて、幸運を呼び込み、邪気を追い出すさまざまな行事が行われてきたということです。
「はざまのとき」の妖しさは、人生の季節(サイクル)のなかにもあります。まず思い浮かぶのは、思春期でしょう。生殖可能なオトナになる直前の、宇宙の彼方まで瞬時にワープできるような心と、ここに在って自分にもどうしようもない身体とを持て余す、危険で魅惑的な時期。デジタルネイティブとAIの時代になっても、その移行期の本質は変わらないのではないでしょうか。そして、節目をクライエントと共に越えていこうとする心理臨床家の営みについても。
今年は例年より少し早く、6月1日(日)に本会の大会と総会を開催する予定です。午前の講演には、みなさまもよくご存じの、島根大学こころとそだちの相談センター特任教授の岩宮恵子先生に講師をお願いしています。昨秋に上梓された近著のタイトルは、「思春期心性とサブカルチャー 現代の臨床現場から見えてくるもの」。コスパやタイパばかりが強調されるこの時代ですが、みなさまと共に、合理性の鎧をしばし脱いで、はざまのときに現れる混沌とそこから垣間見える光に照らされた世界をまなざす力を養う機会をもちたいと思います。午後はたっぷり時間を取って、一事例の検討を行います。
開催方法は、本学での対面参集を軸にしつつ、遠方の会員のみなさまにもご参加いただけるよう、オンラインと併用といたします。午前の講演は、本学で公認心理師を目指す学生をはじめ、他大学院で臨床心理学を学ぶ卒業生にも公開とする予定です。旧交を温める機会として、また世代を超えて新たなつながりを創生する機会として、ぜひご参加ください。
会長 高石恭子
Ⅱ. 第27回大会 「思春期センサー クライエントの感度・治療者の感度」 ご案内
今、すべての年齢層で思春期心性が強くなってきているように思う。
思春期心性というのは、思春期の人たちがもつこころの特性や感性を示すものだが
この感受性の感知装置を「思春期センサー」と名づけてみるとどうだろうか。
そのセンサーがマイナス面ばかりを感知してばかりだととても苦しいが、
そのセンサーが「何か」を感知したときに、劇的に変化を遂げることもある。
「好きなものを聴いてそれを大事にしていく」という臨床のなかで生まれてくるものを考えながら、
最近のマンガやアニメのなかで、刺激を受けた作品などを紹介しながら
このセンサーのありようについて考えてみたい。
講 師 : 岩宮 恵子 先生 (島根大学こころとそだちの相談センター 特任教授)
司 会 : 長野 真奈 先生 (京都橘大学心理臨床センター)
●○ プログラム ○● 日 程: 2025年6月1日(日)
講演のみハイブリッド開催(甲南大学岡本キャンパス(会場は調整中)、Zoom)・事例検討会は対面参加のみ(会場は講演と同じです)
10:00~12:30 講演会「思春期センサー クライエントの感度・治療者の感度」(2時間半)
12:30~13:00 総 会 (30分)
13:00~14:00 休 憩
14:00~17:00 事例検討会 (3時間)
※1研修証明書は全日対面で参加された方にのみお渡しします。
※2参加申し込みの最終締切は 5月16日(金) です。事務作業の都合上、早めの申し込みをお願いいたします。
※3 オンライン参加の場合、機材の都合上マイクでの発言はできませんので予めご了承ください。
Ⅲ. 事例検討会ご案内
午前の部に引き続き岩宮恵子先生をコメンテーターにお迎えして事例検討会をおこないます。
コ メ ン ト :岩宮 恵子 先生(島根大学こころとそだちの相談センター 特任教授)
事例提供: 新道 賢一 先生(関西医科大学精神神経科学講座・甲南心理臨床学会世話人会代表)
司 会 : 長野 真奈 先生(京都橘大学心理臨床センター)
Ⅳ. 会費の払い込み、および参加申し込み
オンライン決済の普及に伴い、郵便振替用紙を同封しておりません。つきましては、次の方法で年会費および大会参加費の払い込みとあわせ、大会に参加される方はメールでの参加申込もお願いいたします。
(ご入金方法)
(1) 郵便振替(窓口にて、青い払込み用紙でのお振込み)
口座番号 00960-9-312606
加入者名 甲南心理臨床学会
(2) ゆうちょ銀行の口座をお持ちの場合、ゆうちょのATM、またはゆうちょダイレクトでのお振込みが可能です。
振込み先の口座番号は(1)と同じです。
(3) 他金融機関からのお振込みも可能です。
その場合の口座番号は下記の通りです。
ゆうちょ銀行 〇九九(ゼロキュウキュウ)店(099)
当座 0312606
大会に参加される方につきましては、甲南心理臨床学会事務局office@kacp.infoに、本文に
②ご所属
③臨床心理士登録番号(臨床心理士有資格者のみ)
④希望参加形態 (対面、オンライン) *オンライン参加の場合は午前の部講演のみです
⑤オンライン参加希望の方は大会当日のZoom入室アドレスの連絡を受信可能なメールアドレス
を記載し、件名に「第27回大会参加希望」を記入したメールでお知らせ下さい。メールおよび入金の確認をもって参加予約とさせていただきます。
なお、必要費用の払込みにつきましては事務の都合上、勝手ながら、5月16日(金)までに 完了していただきますようお願い申し上げます。
本大会は、毎年、(財)日本臨床心理士資格認定協会より、臨床心理士教育・研修規定別項第2条第4号に規定する教育研修機会として承認されており、本年も申請を行うこととしております。本大会に全日参加された方は、受講者として2ポイントを取得できます(オンライン参加の方は午前の講演のみになりますので、ポイントを取得できません)。
【大会参加費】 全日対面参加 : 4000 円 ・ オンライン参加(午前の部講演のみ) : 3500円
【 年 会 費 】 3000円
Ⅴ. 紀要論文・研究ノート・エッセイ募集 ~『甲南心理臨床学会紀要 第26号』原稿募集~
『甲南心理臨床学会紀要』は、会員のみなさまのメディアです。みなさまからの投稿をお待ちしております。投稿の内容は、基本的に各種の学会誌に準じますが、多少融通を利かせる余地はあります。以下を目安にして下さい。
・研究論文 16000字以内(コメント付の研究論文についても相談に応じます)
・研究ノート 8000字以内
・エッセイ 2000~4000字程度(エッセイには、職場案内や各種事業の活動報告なども含みます)
締切は、2025年10月末です。
投稿の内容などにつきましては、相談に応じますので、まずは学会事務局までお問い合わせをお願いします。
投稿・お問い合わせ先:学会事務局まで郵送もしくはoffice@kacp.info(担当:新道)まで。
Ⅵ. 世話人会・事務局からのお知らせ
(1) 学会運営について
2009年度より、この学会の運営方法が変化しております。会員の皆様には、ご不便をおかけしたこともあるかと思います。今後も、いろいろとご協力をお願いすることがあるかと思いますが、何卒、ご理解の程、よろしくお願いいたします。また、学会運営や大会、分科会について、ぜひご意見ください。
(2) 年会費未納の方に
この学会の運営は、会員及び大学院生の年会費で成り立っております。そのため、3年間会費を滞納されますと、退会になるという会則が設けられております。年会費を滞納されている会員の方で、今後も会員の継続を希望される場合は、至急ご入金くださいますようお願い申し上げます。大会当日を過ぎて未納の方は、会則第3章第8条(年度会費を3年連続で滞納した会員は、3年目の総会をもって退会とみなす)に基づき、退会の手続きをとらせていただきますので、悪しからずご了承ください。
(3) 学会事務局への連絡について
2017年4月から、学会事務局の住所は、甲南大学10号館にある人間科学科図書室になっています。こちらは郵便物を受け取るためのポストがあるのみで、事情のわかるスタッフは常駐していません。学会への連絡、問い合わせはメール office@kacp.info か郵便でおねがいいたします。