2017年6月24日土曜日

甲南心理臨床学会第20回大会

Ⅰ.20回大会案内

 甲南心理臨床学会は今年、設立20周年を迎えます。甲南大学の心理臨床の歴史は、臨床心理士資格ができる以前の1970年代から脈々と続いてきました。1996年に臨床心理士養成指定大学院制度ができたときも最初期の指定校となり、現在までに250名以上の臨床心理士を輩出しています。

今回は学会初の試みとして、甲南の卒業生がシンポジスト、指定討論者、講師、事例提供者を務めるという大会を企画しました。1970年代卒業の大先輩から現役の大学院生まで、壇上からフロアまですべて甲南の卒業生、大学院生の中で、心理臨床の世界における甲南の教育力、甲南ならではの治療文化、臨床文化とはいかなるものかを振り返り、確認し、心に刻むような会にできればと考えています。

大会は例年通り、シンポジウムといくつかの分科会を開催します。

なお、運営の都合上、分科会は受付での先着順とさせていただきますので、お早めにご来場ください。

 

●○ プログラム ○●   

日 程:201786日(日)
 
10:00~     受付
10:3012:30  分科会(演習室1・2・3,講演室)
12:3013:00  総会(講演室)
14:0017:00  シンポジウム(講演室)

1昼食は各自でお済ませください。
 ※2研修証明書はシンポジウム終了後、配布いたします。
3参加申し込みの締切は7月7日(金)です。


.分科会・シンポジウム紹介

.分科会
 
分科会では、毎年要望が根強く、甲南と言えばケースカンファレスという声も多く聞かれるため、心理臨床の4つのテーマで事例検討を行います。幅広いテーマ、事例の内容を取り揃えましたので、いずれの分科会も充実したものとなると思われます。 

(1) 福祉臨床  場所:講演室

講師:田中 隆志(パルコミュニティハウス信和学園)
司会:安藤 順子

分科会紹介:甲南大学では、児童養護施設での遊戯療法が学部生・大学院生の実習先として組み込まれ実践を積んできた歴史がある。被虐待児や発達障がい児などを多く受け入れている昨今の児童福祉現場では、感情や衝動コントロールに課題を抱え、医療や療育の手厚い対応が必要な子どもが含まれる。生活環境、医療面、教育面を整えることを前提としながら、事例を通して効果的な心理療法とは何か?を考える。
 
事例提供:岡田 審(児童心理治療施設 弘済のぞみ園)
 
(2) 心理検査(ロールシャッハ法を中心に)場所:演習室1

講師:山口 修一朗(かささぎ心理相談室)、
   久松 睦典(かささぎ心理相談室)

分科会紹介ロールシャッハ法において、プロトコルの個々の特徴を一つのパーソナリティ像へとまとめあげていく作業は、最も習熟が難しい点の一つではないでしょうか。今回の研修では、多様な情報を一つのパーソナリティ像へまとめあげていく過程を、グループでの共同作業を通じて体験的に学習することを目的としています。講師が何かを教えるというよりは、共同作業の過程で、参加者の様々な有意義な視点が引き出され、おのずと皆さまの学びの機会になるような場を提供したいと考えております。普段、解釈の際に参考としている資料など、ご持参のうえ参照いただいて結構ですので、解釈に自信の無い方でもご参加ください。なお、スコアリングは片口法を用います。 

事例提供:新道 賢一(関西医科大学精神神経科学教室) 

(3) 教育臨床 場所:演習室2

講師:山口 恵(神戸市教育委員会スクールカウンセラー)
司会:南部 勝彦 

分科会紹介母親面接にのぞむとき、時に母の語りの奥に、こどもたちの姿をはっきりとした実体として感じる瞬間があります。この分科会では、セラピストとの関わりやイメージを通して、そのあたりがどう変容していったかを、みなさんと一緒に考えていけたらと思います。 

事例提供:林 佐知子(医療法人社団 中山小児科) 

(4) 箱庭 場所:演習室3

講師:三宅 理子(東海学園大学)
司会:児玉 佳子 

分科会紹介クライエントの絵や箱庭、砂場での遊びを通した多彩な自己表現は、彼の「イライラしやすい」という主訴とどのように関係しているのかを考えてみたいと思います。またセラピストは、彼の表現を「衝動的なエネルギーの発散」と感じることもあり、受け入れるよりも統制しようとしていたのではないかと、自分の働きかけを振り返っておられます。クライエントの表現を通じての、クライエントセラピスト関係についても取り上げたいと思います。

事例提供:的場 充憲(甲南大学大学院博士後期課程)

 
Ⅲ.シンポジウム 場所:講演室

シンポジウムでは、さまざまな分野で活躍する、幅広い年代の卒業生に登壇していただくことになりました。働く領域、仕事の内容、対象となる来談者など、異なる点も多いですが、現場に出ているときに感じる各々の中にある甲南で学んだことを中心にお話いただき、甲南の教育力、臨床文化について振り返り、改めて大会に参加する卒業生、現役生の立ち位置を確認することができればと思います。フロアからの積極的な発言もお待ちしています。 

①教育臨床:山口 恵(神戸市教育委員会スクールカウンセラー/2005年修士卒)

甲南大学大学院を終了し、資格取得後、神戸市内の公立小中学校でSCとして勤務してきました。今回は、日々の仕事の中で私が感じていることをお伝えできたらと思います。学部時代、院時代に甲南で学んだことが今の私にどう影響しているのかも、あわせて考えいこうと思います。

②病院臨床:安尾 利彦(大阪医療センター/2001年修士卒)

 修士課程修了後、総合病院における全診療科対応の臨床心理室の一員として、身体疾患を持つ方への心理的援助を主な仕事としています。様々な職種が働く病院という場で心理療法に取り組む難しさについて、この貴重な機会に振り返ってみたいと思います。 

③臨床心理士養成:三宅 理子(東海学園大学/1999年博士課程退学)
 
十数年にわたり臨床心理士養成に携わってきて感じるのは、クライエントさんとの出会いだけでなく、臨床現場での先輩臨床心理士との出会いも院生にとって大きな成長のきっかけになるということです。公認心理師養成が始まる今、心理職として、後輩たちに何を伝えるべきか伝えたいか、ということを改めて考える場にしたいと思います。 

④福祉臨床:田中 隆志(パルコミュニティハウス信和学園/1974年学部卒)

児童養護施設の心理職の役割は、子どもへの心理ケアのみならず、家族支援から職員への心理相談にまで多岐に渡っている。配置から20年近く経過したが、国は常勤配置としながら、必置ではなく位置づけはあいまいである。施設の中での立ち位置を確保は急務であるが、ここでは発達途上の不安定な子どもたちとの格闘劇を語り合えればと考えています。

⑤開業臨床:戸田 みな子(神戸同人社/1972年学部卒)

カウンセリングオフィス神戸同人社は心理療法を有料で行う機関として、1972年に開設しました。心理士のみでのグループ開業は全国でも稀な事でした。今回は、創設時から今に至る約40年の歴史を振り返りながら、私設心理療法機関を継続していく中での難しさややりがいについてお話したいと考えています。 

指定討論者:久松 睦典(かささぎ心理相談室/1999年博士課程退学)

司会:新道 賢一(関西医科大学精神神経科学教室/2001年博士課程退学)


.参加申し込み

同封の払い込み用紙に、お名前、ご住所等をご記入の上、必要金額を払い込んでください。 入金の確認をもって参加予約とさせていただきます。 なお、必要費用の払込みにつきましては事務の都合上、勝手ながら、7月7日(金)までに完了していただきますようお願い申し上げます。学会運営の簡略化のため、何卒ご協力よろしくお願いいたします。本大会は、毎年、(財)日本臨床心理士資格認定協会より、臨床心理士教育・研修規定別項第2条第4号に規定する教育研修機会として承認されており、本年も申請を行うこととしております。本大会に参加された方は、受講者として2ポイントを取得できます。

会費:

大会参加費:4000

ただし修士課程の大学院生は2000

年会費:3000

ただし修士課程の大学院生は2000